ふるさと納税制度が始まって10年以上が経過し、すっかりお馴染みになりました。「地方を応援したい」、或いは「節税したい」とそれぞれの目的で利用されている方も多いことと思います。また、過度な返礼品を巡って度々注目を浴びてもきました。大阪の泉佐野市は魅力的な返礼品を豊富に揃え、どこよりも多くの寄付を集めましたが、あまりに行き過ぎだということで、総務省がとうとう制度を見直すこととなり、同市が総務省批判を展開しているのは報道でご案内の通りです。

6月1日から始まる新制度では、総務省が新基準に基づき、参加できる自治体を判断するわけですが、返礼品が地場産品であり、調達費が寄付額の30%以下であることが指定の要件となります。現時点では東京都以外の全自治体が新制度への参加を申請しているそうです。泉佐野市も参加しつつ、制度への批判を続け、再見直しを迫るのでしょう。

私は参議院議員当時から一貫してふるさと納税制度自体に懐疑的で、国会質問等でも度々、制度の問題点を指摘してきました。地方を活性化するためという趣旨には大いに賛同するものの、制度設計が悪過ぎるからです。返礼品競争が過熱することは初めからわかっていました。東日本大震災の被災地を救済する目的で本制度が活発に利用されたことはいい意味で想定外でしたが、通販サイトと何ら変わらぬ様相の「ふるさと納税サイト」なるものが次々出来てきて、非常に違和感を覚えました。私とて正直、節税したいのはヤマヤマでしたが、筋を通すために一切利用しないことにしました。

一極集中を何とかしなければならない、過疎や法人税の見込める企業がない等、安定した税収の確保が構造的に難しい地域を応援するための税制として、発想は画期的だと思います。しかし、返礼品は最初から規制すべきでした。あくまで寄付であって、税額控除も受けられるのですからそれだけでいい筈です。自治体間の競争を煽って本来の趣旨と違う方向に行った結果、本来税金を納めるべき居住地の税額控除が膨らみ、応能負担の原則も崩れてしまいかねません。制度の原点に戻るなら、せいぜい、首長からのお礼状と地域と地場産品の魅力を紹介する冊子と、当該地域を訪問したら使える千円くらいのクーポン券で十分ではないでしょうか?