プライドが高い若者【Z世代】が増えている理由とは？

近年、Z世代と呼ばれる若者たちの中に、プライドが高いと言われる人々が増えてきたように感じられる。私自身も、35歳の男性として、この世代とは異なる背景や経験を持って生きてきた。だからこそ、彼らの特徴や行動に対して、ある種の驚きや違和感を感じることがしばしばある。しかし、彼らを単に「プライドが高い」と一括りにしてしまうのは短絡的であるとも思う。

Z世代が生きる現代は、私たちが若かった頃とは大きく異なる環境に変わっている。情報の速さ、SNSの普及、テクノロジーの進化。これらは彼らの価値観や自己認識を形成する上で、大きな影響を持っていることは間違いない。そして、その中で彼らが持つプライドは、彼ら自身のアイデンティティや自己主張を表現する手段として存在しているのだろう。

しかし、この「プライドが高い」という特徴が、彼らにとってプラスになるのか、それとも何らかのデメリットをもたらすのか。それを判断するためには、Z世代が抱える背景や環境、そして彼らの中での多様な声を理解することが必要である。

本記事では、Z世代の中で増加傾向にあるとされる「高いプライド」に焦点を当て、その背後にある要因や社会的な背景を探ることで、より深くこの世代を理解する手助けをしたいと考えている。私たちが彼らを理解し、彼らが自分たちを理解することで、より良い社会を築いていく第一歩となることを期待している。

プライドが高い若者【Z世代】が増えている理由とは？

プライドが高い若者【Z世代】が増えている理由1．子供時代に大きな失敗をしていないから。

あの日、息子との会話が俺の頭をよぎる。彼はZ世代の代表みたいな存在だ。彼ら、Z世代がなぜそんなにプライドが高いのか。実は、その背後には、彼らが子供時代に大きな失敗を経験していないという事実が潜んでいるのかもしれない。

俺たちの頃は、ミスをすれば痛い目を見る。転んで擦り傷をつくり、それが怪我の教訓となる。しかし、Z世代の子供たちの周りには、常に大人たちが hover（囁くように存在する）して、彼らがミスをする前に事前に手を打っている。バンバンと道路に飛び出すこともなければ、校庭で大怪我をすることも少なくなった。もちろん、これは子供たちの安全を確保するための進化であり、決して悪いことではない。

だが、大きな失敗を経験しないことが、彼らのプライドを形成する大きな要因となっているのではないかと思う。失敗とは、痛みや恥ずかしさといった感情を伴うもの。それを乗り越えることで、人は謙虚さや他者との共感を学ぶ。しかし、それらの経験が乏しい彼らは、自分の能力や価値観に絶対的な自信を持つようになったのかもしれない。

もちろん、すべてのZ世代が同じとは言えない。彼らもそれぞれの経験や背景を持っている。しかし、これは社会として、彼らの成長をどうサポートするかを再考する良いきっかけかもしれない。失敗を恐れることなく、彼らがもっと大きな舞台で輝くための環境を作っていく必要があるんだろう。

息子に、俺はこう言いたい。「大切なのは、プライドを持つことじゃない。どんな困難にも立ち向かい、その経験を通じて成長することだ。」

プライドが高い若者【Z世代】が増えている理由2．ごまえんなさいと謝ることが特別だと思っているから。

最近の飲み会で、若い後輩たちとの間で意見が衝突したことがあった。何かと自分の意見をしっかり持っている彼らだが、その意見の裏には確固たる自信やプライドが感じられる。そんな中で、彼らとの対話を進めていく上で気づいたことがある。それは、彼らZ世代が「ごめんなさい」と謝ることを、何か特別な行為として捉えているようだったのだ。

俺たちの世代では、軽いミスや取り違えでも、 reflexのように「すまん」「ごめん」と口にすることが多かった。しかし、彼らはそのような軽い謝罪ではなく、謝るという行為自体を重く捉えているようだった。そこには、彼らが自分の意見や考えを大切にし、それを曲げることなく表現したいという強い思いが感じられる。

一方で、これは社会の変化も影響しているのかもしれない。SNSの普及により、一つ一つの意見や行動が他者から容易に評価される時代となった。その結果、自分の意見を変えること、間違っていたことを認めることが、外部からの評価低下と直結すると感じるようになったのではないか。

もちろん、プライドを持ち自分の意見をしっかりと持つことは素晴らしい。だが、それと同時に、謝罪の大切さや他者とのコミュニケーションの重要性も忘れてはいけない。謝ることは弱さではなく、相手を尊重し、自らを成長させるチャンスだと俺は思う。

後輩たちとの飲み会を終え、帰り道、彼らとのコミュニケーションの難しさを感じつつも、彼らの強い意志やプライドを感じることができた。このZ世代の若者たちと、これからもっと深く対話していきたいと心から思ったのだった。

プライドが高い若者【Z世代】が増えている理由3. 学校教育自体に問題があるから。

最近、甥っ子が中学卒業の際に、卒業アルバムの一言に「自分を信じて、自分の道を進め」と書いていた。一見、前向きでポジティブなメッセージに思えるが、その背後にはZ世代のプライドの高さが表れているのではないかと感じた。その根源として、現在の学校教育自体に問題があるのではないかと私は考えている。

俺が学生だった頃、学校は知識をインプットする場所であり、試験でその知識をアウトプットすることが求められていた。しかし、近年の教育現場は変わりつつある。生徒一人ひとりの個性や意見を尊重する風潮が強まり、その結果、自分の意見や考えを持つことが奨励されている。これ自体は素晴らしいことだと思うが、その影響で、自分の意見や考えを持つことが「常に正しい」という誤解を生んでしまっているように思える。

さらに、学校でのグループ活動やプレゼンテーションが増える中で、他者との協力や相手の意見を尊重することも教えられているが、一方で、競争心やプライドが高まる傾向もある。その結果、自分の意見を押し通すことが正しいという考えが強まり、他者との意見の違いを認めることが難しくなっているのではないかと感じている。

学校は社会のミニチュアであり、そこでの経験や教育がその後の人生に大きな影響を与える。現在の学校教育がZ世代のプライドの高さを助長しているとすれば、それは決して無視できない問題だ。教育のあり方を見直すことで、バランスのとれた考え方や価値観を育むことが求められているのかもしれない。

甥っ子のメッセージを見て、私は彼が自分の道を進む中で、他者とのコミュニケーションの大切さや謙虚さを忘れずに成長してほしいと心から願っている。

プライドが高い若者【Z世代】が増えている理由4. 他人にも自分と同じように大切な人生があると認識していないから。

先日、喫茶店で若いカップルの会話を耳にした。彼女が悩みを打ち明けている様子だったが、彼は彼女の話を半ば無視して自分の話を始めた。彼女の表情からは、ある種の失望を感じた。この一幕から、現代の若者、特にZ世代が持っている一つの問題点を強く感じた。それは、他人にも自分と同じように大切な人生があるという認識が薄れているのではないかということだ。

俺の青春時代は、親や先生、さらには友人たちとの対話が日常的に行われていた。その中で、人それぞれの価値観や背景、苦悩や喜びを知ることができた。しかし、今のZ世代は、SNSを中心とした情報の氾濫の中で、自分と同じ価値観や考えを持つ人々とのコミュニティを形成しやすくなっている。この結果、異なる価値観や背景を持つ人々との交流が減り、他人の人生や感情を深く理解する機会が失われているのかもしれない。

他人の価値観や背景を理解することは、自分のプライドを保ちつつ、他人との関係をより豊かにするための鍵となる。それは、他人の考えや感情を尊重し、それを通じて自分自身も成長できるからだ。しかし、その認識が希薄になることで、自分の考えや感情が最も正しいという誤った自認が生まれることがある。

私は、この問題に対して、学校や社会がもっと他者とのコミュニケーションの大切さを教えるべきだと思う。また、SNSやテクノロジーの進化を否定するつもりはないが、それだけに頼らず、実際の対話を大切にすることも必要だと感じる。これからの時代、Z世代が他人の人生を尊重し、自分のプライドを持ちつつも他者との関係をより深く築いていけることを心から願っている。

プライドが高い若者【Z世代】が増えている理由５．自分は偉大な存在になれると信じているから。

数年前、私が会社で新たに受け持った若手の部下が、業務のミスに対しても自らの意見や方法を強く主張してきたことを思い出す。彼の瞳には、自分の考えが正しいという確信が宿っていた。そう、彼は自分自身が偉大な存在になれると信じていた。そして、彼だけでなく、今のZ世代の多くの若者たちに、そのような信念が見られるのではないだろうか。

私たちの時代に比べて、Z世代はSNSやYouTubeなどのプラットフォームで、一般の人々が瞬く間に有名人になる事例を日常的に目の当たりにしてきた。彼らは、自らの才能やアイディア、そして努力によって、誰でも成功し、多くの人々からの評価を受けることができると感じているのだ。

さらに、これらのプラットフォームが、個人の成功を強調し、それを称賛する文化を生み出してきたことも影響していると思う。その結果、多くの若者たちが、自分自身が特別であり、自分の価値観や考えを持つことが非常に重要だと感じるようになってきたのではないか。

もちろん、自分の価値を信じ、大きな夢を持つことは素晴らしいことだ。しかし、その反面、常に他者と比較してしまうことや、小さな成功を大きな成功と過大評価してしまう傾向もある。これにより、他者との協力や共感が難しくなることも考えられる。

私としては、Z世代の若者たちが、自分の価値を信じつつも、他者の価値も尊重し、共に成長することの大切さを理解してほしいと思う。偉大な存在になることを夢見るのは素晴らしいが、それを追い求める過程で、他者との関係や自らの内面を見失わないよう、心から願っている。

プライドが高い若者【Z世代】が増えている理由6．人を攻撃することが悪だという教育を受けていないから。

最近、町で見かける若者たちの間での口論やネット上での言い争いを目にすることが増えた気がする。私が中学生だったころ、先生は常に「言葉の暴力は許さない」と教えてくれた。しかし、今のZ世代にとって、そのような教育を受けているのだろうか。人を攻撃することが悪だという基本的な価値観が、彼らには十分に伝えられていないのではないかと懸念している。

私たちの頃と比べて、今の若者たちは情報を手に入れるスピードが圧倒的に速い。その結果、多くの情報を瞬時に消化しなければならない中で、深く考える時間が短縮され、感情的な反応が増えているのかもしれない。特にSNSの普及により、即座に自分の意見や感情を表現する文化が根付いてきた。この環境の中で、他者の意見や立場を冷静に受け入れる前に、直感的な反発や攻撃的な態度を取る傾向が強まっているのではないか。

また、ネットの匿名性が、攻撃的な言動を助長している面も無視できない。自分の正体を隠したまま、他者を批判や非難することが許されてしまうこの文化は、若者たちに「人を攻撃することに罪悪感を持たなくても良い」という錯覚を与えているのかもしれない。

私が小さいころ、親や先生たちは「他人に対して思いやりを持ち、人を傷つけるような言動は避けるべきだ」という価値観を教えてくれた。しかし、現代の教育や社会環境の中で、そのような基本的な教育が疎かになっているのではないかと心配している。もちろん、全てのZ世代の若者が攻撃的なわけではない。しかし、彼らが更なる成熟を迎えるためには、人を攻撃することの本質的な問題を理解し、それを避けるための教育やサポートが必要だと感じている。

プライドが高い若者【Z世代】が増えている理由7. 成功体験を積み上げることに異常に執着しているから．

最近の若者、特にZ世代に目を向けると、彼らの行動や考え方に一つの共通点が浮かび上がってくる。それは、成功体験を積み上げることへの強い執着だ。私が学生だった頃と比べ、今の若者たちは自分の価値を証明するために、どれだけの成功を手に入れたか、ということが非常に重要視されているように感じる。

今の社会は、個人の成果や実績が明確に評価される環境が広がっている。SNSでの「いいね」の数、YouTubeの再生回数、学校での成績や部活での実績…これらは、彼らにとっての「成功のバロメーター」となっている。これらの数値や実績に縛られることで、常に上を目指し、競争心を燃やすことが求められているのだろう。

その一方で、他者との関係性やコミュニケーション能力、思いやりの心といった、数値化しにくい価値が軽視されているのではないかと感じることもある。これは、人を攻撃することが悪だという基本的な教育が疎かになっている現状とも関連しているように思う。成功を追い求めるあまり、他者を足蹴にするような行動や、他者を下に見るような態度が許容されてしまう環境が、Z世代の中で形成されているのかもしれない。

私は、成功体験を重視することは悪いことではないと思う。しかし、それだけを追い求めることで、他者との関係やコミュニティの中での役割、人間としての基本的な価値を見失ってはならない。若者たちが真の意味での成功を追い求めるためには、物事の本質を理解し、他者を尊重する姿勢が必要だと思う。

プライドが高い若者【Z世代】が増えている理由８ . 他人に絶体に負けたくないから。

私が子供の頃、友人とのゲームやスポーツでの勝負は、楽しむためのものだった。もちろん、勝ちたいという気持ちもあったけれど、それ以上に一緒に遊ぶことの楽しさや、友情が大切だった。しかし、今のZ世代の若者たちを見ていると、彼らには他人に絶対に負けたくないという熱い意気込みが感じられる。

この強い競争心は、現代の社会環境やテクノロジーの影響を受けているのかもしれない。SNSやゲームアプリでのランキング、学校や部活での評価システム、仕事場での昇進競争など、彼らの日常には比較や競争が溢れている。このような環境下で育った彼らは、他人に負けたくないという気持ちを常に持ち続けるようになったのかもしれない。

また、今の社会は個人の成功や実績を強く求めている。メディアやSNS上では、同じ年代の成功者や天才たちの話題が絶えず取り上げられている。このような情報を日常的に目にすることで、彼らは「自分も同じように成功しなければならない」というプレッシャーを感じているのだろう。

その一方で、私は少し心配している。絶えず他人との比較や競争に縛られて生きることは、精神的なプレッシャーやストレスとなり得る。また、他人に負けたくないあまりに、真の自分を見失い、自分の幸せや価値を外部の評価に依存してしまう危険性もある。

私は、Z世代の若者たちが、他人との競争を楽しむだけでなく、自分自身の価値や幸せを見つめ直し、内面的な成熟を追求してほしいと願っている。他人との比較ではなく、自分自身との対話を大切にすることで、真の意味での成長や満足感を得られるのではないかと思う。

プライドが高い若者【Z世代】が増えている理由９ . 努力すればなんでも夢はかなうと思い込んでいるから。

自分が子供の頃を思い返すと、先生や親から「努力すれば夢はかなう」という言葉をよく聞いたものだ。確かに、努力は大切な価値であり、私たちに多くのことを教えてくれる。しかし、Z世代の若者たちにとって、この言葉が持つ意味合いは、私たちの時代とは異なるのかもしれない。

現代は情報が溢れかえっており、SNSやYouTubeをはじめとするメディアを通じて、若手の成功者や彼らの努力の物語が瞬時に広まる時代だ。これらの情報を目にする中で、Z世代は「努力すれば、自分も同じように成功できる」という信念を強く持っているように感じる。

この信念自体は悪くはない。確かに、努力と継続は大切であり、多くの成功者がそれを基盤にしている。しかし、問題はその「努力＝成功」というシンプルな公式が、絶対的な真実として受け入れられてしまうことだ。成功への道は千差万別で、努力だけでは叶わない夢も多々ある。そして、その事実に気づいた時、彼らはどれだけのショックを受けるのだろう。

また、努力することの大切さを伝えるあまり、彼らが過度なプレッシャーや自己責任を感じてしまうリスクも考慮しなければならない。全ての結果を「努力の有無」に帰結させると、自らの努力が足りないと自己否定的になりがちだ。

私は、努力は確かに大切だと思う。しかし、それだけが成功の要因ではないことを理解することもまた、重要だと感じる。Z世代の若者たちには、多様な価値観や経験を通じて、より広い視野で物事を捉える能力を身につけてほしいと思う。努力は大切だが、それと同時に、柔軟な思考や他者との協力、そして時には失敗からの学びも equally important だと伝えたい。

プライドが高い若者【Z世代】が増えている理由10. プライドが高いことで起きる問題について、本気で向き合っていないから。

私が若かった頃と比べ、確かに最近の若者、特にZ世代の中にはプライドが高いと言われる人たちが増えてきたように感じる。その背後には多くの要因があるだろうが、ひとつ気になるのは、彼らが「プライドが高いことで起きる問題」に真摯に向き合っていないという点だ。

社会の中で生きる上で、自分のプライドを保つことは大切なことであると私も認識している。それは自分の価値観や信念を守るためのもので、それが人間としてのアイデンティティとなることもある。しかし、プライドが過度に高まることで、コミュニケーションが難しくなったり、他者との関係が悪化するリスクも無視できない。

私が見るZ世代の中には、このプライドが高いことによる問題を、真剣に考えていないか、または認識していない人が一定数いるように思える。例えば、自分の考えが絶対であり、異なる意見を持つ人との対話を避ける傾向。これは、自分のプライドを守るための防御反応かもしれないが、それによって多様な視点や経験を失ってしまう恐れがある。

また、プライドが高いと、自分のミスや過ちを認めることが難しくなりがちだ。この姿勢は、成長の機会を逸してしまうだけでなく、周囲との関係に亀裂を生じさせる可能性もある。

私が感じるのは、プライドを持つこと自体は問題ではない。問題となるのは、それが適切な場面や方法で表現されているかどうかだ。プライドを持つことと、他者との関係を築くことは排他的ではない。むしろ、自分のプライドをしっかりと持ちつつ、他者との違いや意見を尊重し、共に成長することが求められているのではないかと思う。

Z世代の若者たちには、自分のプライドと他者との関係のバランスを見つけるための自己反省や自己啓発の機会をもっと持ってほしいと感じる。それが彼ら自身の成長にも、そして私たち社会全体の発展にも繋がるだろう。